温暖化対策に、カナダの木(Timber)高層建築が脚光、世界で最高18階建ての木造建築ビルが完成

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今年に入り、バンクーバーでは、あちこちで高層オフィスビルや新築の住宅、中高層コンドミニアムが街中のあちこちで建築ラッシュになっています。 

いままで10年以上現地に生活していて、ここまでの凄いペースは初めてです。いま私が住んでいるダウンタウンから車で20分程度のバーナービー周辺でも、こんな高層住居ビルがニョキニョキと建設中です。それも販売価格は、1戸で2ベッドルームでスペースが狭い割に80万ドルもするのが当たり前で、一般の人にはとても高くて手が出せません。(涙)

Amazing Brentwood Burnaby

そんな中でも、最近カナダらしい木材の建築のコンドミニアムやコミュニティセンターを多く見かけるので、ちょっと気になってました。(けっして洒落じゃありません、笑) この写真のように5,6階の中層階コンドミニアムも木材建築です。日本だと木造は、昔の建物で防火も強度もわるくて、せいぜい2階建くらいしかないと思っていたので 「あれ?こんな高さで、いまどき木で建てても安全?大丈夫なの!?」とすこし心配に思ってたりもしてました。

でも、調べてみると まったく心配は要りませんでしたよ!(笑)

 

中層階木造コンドミニアム

こんな中層で5,6階の高さも、木材で建築中(驚) 

実は、この6階建ての木造建築は、世界でも初めてBC州で認可された建築方法だそうです。 カナダBC州では、木材の改良と建築技術でやはり世界の先端をいってたんですね。

脱線ですが、市内の電柱の多くは(まだ)木製(Wooden Pole)で、、これも世界先端なんでしょうね?(笑) 

さて話を戻して、

そんな木造建築の先端をゆくバンクーバーのダウンタウンには、やはり木造(Timber)を、専門とする建築デザイン、デザイナー、建築施行会社がたくさん集まっています。

こちら日本の建築デザイナー坂茂(ばんしげる)氏が、デザイン提案するバンクーバーダウンタウンの「Terrace House」 世界で最も高い木造ハイブリッドのビルです。

ITの中心地のアメリカのシリコンバレーも、このカナダの木材建築デザインと高い技術に目を付けて、最近では有名な建築家デザイナーの企業を買収・・・・しています。

Silicon Valley tech giant acquires Vancouver-based Michael Green Architecture 

(シリコンバレーのテックジャイアントがバンクーバーの建築家マイケルグリーンを買収へ)

記事URL: http://dailyhive.com/vancouver/michael-green-architecture-katerra-company

 

森林の資源国カナダでは、木材資源の技術研究も盛んで、BC州には、巨大材木(高層木造建築物用)などの新製品や、木材(セルロース)を原料に用いた生化学物質の製造など、世界をリードする研究を実施している大学施設や機関があります。

特に、バンクーバーには世界でも評価の高い建築セクター(建築家、エンジニア、建設)が沢山集まり、またUBC大学のような森林資源や先端技術を開発する教育機関もあります。

 

最近、環境問題の高まりで世界中で省エネ低廃棄の建築ニーズが増えて来ていて、環境国のカナダでも政府と企業が産学での木材をつかった先進技術’研究に取り組み、より強度があって高層ビルの建築プログラムをスタートさせ、いまバンクーバーには世界で最も高い木造建築ビルを昨年2017年に完成、今後とも拡大する予定です。

先進的な建築工法(Advanced Building Systems)プログラムでは,耐火,耐震技術等の開発のほか,中高層建築物の建築基準作りへの対応,CLTや鉄骨とのハイブリッドなど新素材を利用した構造の新たな可能性の開拓などが進められている。17年にはCLTを利用した高層建築物として,世界一高い18階建てのブロック・コモンズを竣工してます。(下の動画をご覧ください)

CLTとは、「クロス・ラミネーティッド・ティンバー」(直交集成板)と呼ばれ、非常に強度の高い合板。この新しい材料を、コンピューター数値制御(CNC)によるフライス加工のような精密なデジタル製造プロセスと組みあわせることによって、1世紀前には考えられなかった高さの木造建築が可能になりました。

CLTは、こんな合板の木材素材です。集成材にすることで無垢(むく)の木よりも強度が増すそう。耐火耐震でも基準をクリアし、いままで木造イメージを一変させますね。

 

斜面でも強度は十分です

複雑な曲線のレイアウトもCLT素材が活躍

世界一の木造建築はブリティッシュコロンビア大学の学生寮(ブロックコモンズ)

こちらが現在、世界で最も高い木造建築となる、カナダのバンクーバーある「Brock Commons 」です。

現在、世界一の高さ53mで18階建ての木造建築ビルで有名な、カナダバンクーバーのブリティッシュコロンビア大学の学生寮です。昨年に無事に完成しました。

 

Brock Commons – Tallwood Houseが建築中の動画がありましたのでシェアします。(引用元;Youtube)

想定耐用年数は100年以上、二酸化炭素を固定化「Carbon Sequence」という新たな環境問題の考えかた

 この世界でもっとも高い木造建築の学生寮の所有者であるブリティッシュコロンビア大学(UBC)では、ブロックコモンズの耐用年数を100年以上と見積もっているそうです。そしてその長期間に環境温暖化CO2を木材という形で閉じ込め固定化(Carbon Sequenceという英語)でき温暖化対策の効果として、そして、そのほかにも、既存RC造と比べて断熱性能の高さがもたらす空調エネルギー使用量の抑制にもUBC大学は期待を寄せています。

今回は、合計2233m3(立方メートル)の木材を使用し、木材利用によって削減できるCO2の排出量は2432トンに及びます。これは、カナダで511台の車が1年間に排出する量に相当します。

またブロックコモンズに続いて、バンクーバーでは、さらに高層30階建ての計画があります。

冒頭に話は戻りますが、コンクリート高層のビルがニョキニョキと建設される一方で、、環境に配慮した木材をもとにした近代的な視点の建築スタイルが始まっているここカナダバンクーバー。

普段はなかなか気がつきませんでしたが、改めて、新鮮な印象に映りました。 将来、ぜひ当地へいらしてみて下さい!

 

カナダにおいては、1859年~1940年の間にカナダ全域において煉瓦、大断面製材を用いた5~8階建の木造ビルが建てられており現存しています。しかし残念ながら、1941年の法改正において木造建築の高さ制限や不燃化が、課されそれまでの木造ビルは建てられなくなってしまいました。

ところが近年、森林産業の構造改善、国産材利用の目的や政府主導の背景も手伝い、非住宅用途に向けての動きが活発化し、法改正、CLTの製造や設計支援ツールの整備が進められ、集成材、CLTや他の木質材料を用いた大規模建築物が建てられています。

この他にも世界では、米国シカゴに80階建ての「リヴァー・ビーチ・タワー」(提案)や、英国ロンドンでは、80階建ての木造超高層ビル「オークウッド・タワー」など、カナダ以外の世界中で次々と新しい木造素材と技術を元にした高層建築がトレンドになっています。木材は二酸化炭素の放出を減らし、建築現場の廃棄物の量も大幅に少なくなって、さらに木材は軽いため、輸送のエネルギー効率も高くなるので環境に優しく、省エネの注目素材としてピッタリなのでしょうね。

余談になりますが、今回ご紹介したカナダBC州のCLT(直行集成板)の木造建築は、2016年に日本でも第一号として足立区の老後介護私設の5階建て建築に使われたそうです。

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