150以上の国からの移民が平和に暮らす、カナダのビジネス面は? 米国ナショナリズムが世界中へ広まり、いままで関係が良かった国と国同士が緊張関係になった場合でも、カナダならではのオープンな事例をご紹介します。
先日久しぶりにノースバンクーバーへ車で通りかかったときに、 いままでみた事のない景色に、あれ?と気がつきました。
バンクーバーのダウンタウンからライオンズ・ゲートブリッジを山側へ渡り右手へLonsdaleQuayの周辺に、新しい穀物サイロがニョキニョキと建ち始めてました。またサイロ周辺も大がかりな建設工事中。
カナダに14年住んでいてノースバンの古びた穀物サイロや、真っ黒の石炭や鮮やかなイエローカラーの硫黄の山などが当たり前の港湾の景色に見慣れてしまったせいか、新設の穀物サイロにやけに興味を感じてしまいました。(なんせ変わり者で、、、 笑)
「なんで、サイロなんか建ててるんだろう・・・?」
もしや、最近勃発の米中貿易摩擦で、秘密の中国むけ基地サイロなのか・・・!?(笑)
ちょうど、偶然にも地元のビジネス新聞(BUSINESS VANCOUVER/April10-16号)に、関係の記事を見つけました。
現在サイロが建設中の場所は Lynnterm West Gateと呼ばれるところで、世界でも50位内に入る輸出コンテナの港湾ターミナル。
そしてそこは、G3 Global Holdingsと、Western StevedoringCo.Ltd.の2社のジョイントベンチャーで、2020年まで総工費でCAD120 million(約100億円)をかけて、高さ54メートル、合計47基のサイロを竣工予定だそうです。(サイロ47基はすごッ!しかしノースバンのロワーに住む人は、ほとんど海が見えなくなっちゃう、、)
それ以外にサイロ併せた周辺の約50エーカーを、穀物の鉄道輸送からサイロ保管、船積みまで自動効率化するための、おおがかりな設備投資をするようです。(最下に、新設サイロのYoutobe動画が ⇒ どんどん高くなってゆきます!! )
(こちらが記事コピー)
(ノースバンクーバー地区に新設中の穀物サイロがニョキニョキと・・・)
ふーん、のんびりのカナダ企業も結構やるじゃん! ところが、記事をネットで調べてみて、、
「あれ?」
ニョキニョキと建ちはじめた穀物サイロの所有者は、実はカナダではありません。(もともとはカナダ所有でしたが、最近買収されています)
いったい、誰だと思いますか・・・? 冒頭のアメリカと貿易問題で喧嘩してる、、中国資本!? カナダと中国は昔からすごく親しい。(ブーブ―はずれ)
なら、ヨーロッパか、穀物市場の本場アメリカ?(半分当たり、、しかし米企業のオーナーシップはすでに米国外の投資家です)
正解は、中東サウジアラビアとカタール。 (えー!? いまどちらも国交断絶で、喧嘩してる国同士じゃない!)
国際情勢では、断絶し喧嘩してる2つの国が、カナダを通してしっかり繋がっているわけです。
そして、その中東の2国どちらも、日本の最大の資源エネルギー輸入元だったりします。
サウジアラビアは、日本は最大の石油輸入国です。
またカタールからは天然LNGガスと石油、 特に世界最大のLNG消費国である日本は、オーストラリアとマレーシアに次いでカタールは、第三番目の輸入元です。
そうなると、実は、、投資資金の出し手は、案外、日本?? だったりして。。。(冗談)
しかし表面的な断絶のニュースの裏では、国をこえたグローバルな投資関係で、しっかりと繋がって世界経済が成長しているんだなーと感心させられました。
今後、世界であちこち国の摩擦でギクシャクした時には、 カナダはお互いビジネスをスムーズに繋ぐ機能(ゲートウェイと言います)が、これからますます注目されるかもしれません。
やはりサイロ、されどサイロです。(笑)
それでは、、、
新設サイロのYoutobe動画