2018年7月に厚生労働省が発表した「平成29年簡易生命表」によると、日本人の平均寿命は「83.98歳」でした。

男性は81.09歳、女性は87.26歳であり、ともに世界トップクラスの長寿を誇る国です。

長い人生のなかでは進学、就職、結婚、出産、介護とさまざまな転機が訪れます。そして、そのうちのほとんどでまとまった資金が必要になります。転機はいつ訪れるのか、誰にも予測できません。それが訪れた際に、きちんと資金を用意できるようにしておきたいものですね。

そのために、あらかじめ想定できる一般的なライフプランを明確化し、それぞれの段階でどの程度のお金が必要になるのかを理解しておきましょう。

今回はライフプランの明確化と資金の確保の必要性について紹介していきます。

人生で必要になりうる資金とは?

一度ライフプランをシミュレーションしてみると、資金が必要となるタイミングが見えてきます。

一般的な20代の独身男性または女性をモデルに、シミュレーションしてみましょう。

結婚

20代から30代にかけての人生の大きな転機といえば、やはり結婚。

生涯未婚率がどんどん上昇している日本ですが、30代前半までには男性の52.9%、女性の65.4%が結婚していて、まだまだ既婚者は多数派です。結婚には挙式費用だけではなく、婚約・結婚指輪、結納、新婚旅行など、さまざまなものやイベントに費用がかかります。新居への引越し費用やそこで必要となる家具・家電代も忘れてはいけません。

大手結婚情報誌の「ゼクシィ」が行った調査では、結婚費用の平均は「約463万円」となっています。

子どもにかかる費用

結婚してから子どもを授かった場合、妊娠から出産、そして成人するまでの約20年間を通じて、子どもに関わるさまざまな費用が発生します。

まずは出産費用。公益社団法人国民健康保険中央会による「出産費用 平成28年度」の調査によると、出産費用の総額は約51万円であることがわかっています。

ひとり出産するにつき、「出産育児一時金」として42万円が支給されますが、それだけではカバーできないことも珍しくありません。個室を確保したり、入院時期が長引いたりすればその分支出も多くなります。

子どもが成人するまでの教育資金の平均は、約993万円とされています。

(文部科学省「子供の学習費調査(平成28年度)」「私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について」出典)

2人、3人の子どもがいる家庭も少なくありませんが、実際は子ども1人を育てるだけでも、かなり大きな資金が必要となります。その点を踏まえたうえで家族計画を考えるようにしましょう。

マイホーム費用

家族が増えたころには、マイホームを建てたいと考える家庭も多いでしょう。マイホームといっても、都会か地方か、戸建てかマンションかによって大きく費用は変わってきます。

住宅金融支援機構「2016年度フラット35利用者調査」によると、住宅の平均購入価格は建売住宅の場合、約3,340万円、戸建て住宅の場合は約4,270万円です。

住宅ローンを組んで購入する人が圧倒的多数派ですが、購入時にも頭金や各種手続きの費用、新しい家財道具代、引っ越し費用など、ある程度まとまった額のお金が必要になります。

頭金は多ければ多いほど、ローンの負担を減らせますので、ゆくゆくはマイホーム購入を考えている場合、できる限り資金を確保しておいた方がよいでしょう。

老後の生活費及び介護費用

現在の日本では、65歳以上に年金が支給されます。

​​​​厚生労働省(令和2年度)によると、国民年金(老齢基礎年金)は、20歳から60歳まで40年間保険料を支払った人で、1人1カ月6万5141円です。また厚生年金では、夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額として22万724円となっています。

この金額は、平均的な年収で40年間会社に勤めて厚生年金に加入していた夫と、全期間を専業主婦として過ごした妻をモデルとしています。共働き世帯が増えている現在では、今後変わってくる可能性が高いですが、そうだとしても満額が受け取れるとは限りません。いずれにしても年金だけで生活していくのはかなり厳しいといえるでしょう。

さらに、介護の必要性が出てきた場合は平均16万円もの介護費用がかかることがわかっています。

このように、会社を退職した後も、いくらかの必要になるお金が発生することを考えて、老後資金を確保しておくことがおすすめです。

資産管理が苦手な人におすすめなこと

ライフプランで必要な金額と必要性を理解し「よし!今日から貯蓄を始めよう」と意識できた人は立派です。

世の中には将来必要になる金額は理解できていても、貯蓄の必要性に気づけない人も意外と多いのです。

その理由として「そもそも結婚(または出産・マイホーム購入など)をするつもりがない」「必要になったときに考えればいい」「配偶者がなんとかしてくれる」などが挙げられます。

また、「必要性は理解しているけれど、毎月かつかつで、とても将来に備えて蓄えられるお金がない」という人もいるでしょう。金融資産ゼロの家庭が全体の30.9%を占めている現在、余裕のない家庭が増えてきているのかもしれません。

しかし、人生には予想だにしないトラブルが起こりえます。その時になって初めて資金が足りないことに気づき、慌てても時すでに遅しです。

家族や金融機関からお金を借りるという手もありますが、できればそれは最終手段にしておきたいですよね。

一度資産状況を見直す

必要な資金を明確化できていない人や必要性を理解できない人は、自分の資産状況を把握できていないことが多いものです。

毎月入ってくる給料をなんとなく使って、そのままにしてはいませんか?どんなことに、どれくらいのお金を費やしているのか理解できていない人も多いでしょう。

そのような人は、まずすべての資産状況をチェックすることから始めてみてください。どの口座にどれくらいの貯蓄があるのか、家計簿をつけている人は何にどのくらいのお金を使っているのか、一度チェックしてみましょう。

そして、無駄な支出をいかにして減らすのかよく考えてみてください。お金の管理をし始めると、次第に資産の管理意識も高まるようになります。

まとめ

今回のコラムでは、ライフプランで必要になる資金と、それを確保する必要性について紹介しました。

長寿高齢化が進む一方で、賃金の低下や貯蓄率の低さが目立つようになってきて、最近では「貧困老人」という言葉も生まれているほどです。

豊かで充実した人生を送るためには、やはりお金も重要。家族を守るためにも、一度ライフプランと資金計画を見直してみてはいかがでしょうか。