「金融リテラシー」という言葉をご存知でしょうか?

日本証券業協会では金融リテラシーのことを「金融に関する知識や情報を正しく理解し、自らが主体的に判断することのできる能力であり、社会人として経済的に自立し、より良い暮らしを送っていく上で欠かせない生活スキル」と定義しています。

金融リテラシーって何?という方へ有意義な情報となれば幸いです。

金融リテラシーは何のためにある?

私たち人間が生活を送る上で、お金は非常に重要なものであり、決して無視はできません。

毎日の買い物に始まり、クレジットカード決済、住宅を購入する際には住宅ローン、各種保険の加入、資産運用などお金にまつわる活動は多岐にわたりますが、その内容をすべて把握できている人は、驚くほど少く感じます。

「仕組みはよくわからないけど、何となく支払っている」「みんなが加入しているから自分もそうしている」という人も多いでしょう。日本では、小学校から大学まで金融に関する知識を積極的に教えないため、こうしたことが起こりがちです。

しかし、”なんとなく”を続けていると、大きな損してしまうこともあります。限りある財産を守るためには、必要な知識を身に着けて、上手にお金とつきあいたいものです。

そのためには何をすればいいのかを、金融庁が「リテラシー・マップ」にまとめています。

リテラシー・マップとは?

金融リテラシーを身に着けなければならないのは、何も大人だけではありません。お小遣いやお年玉をもらってやりくりをする子どもも、金融リテラシーが必要です。早い段階で金融リテラシーを身につけることで、大人になっても正しい金融活動ができるでしょう。

金融庁が定めた「リテラシー・マップ」をもとに、特徴や違いを紹介します。

4分野・8分類で構成されたリテラシー・マップ

リテラシー・マップは全4分野で構成されています。細かい分類も含めると、合計8つに分類されます。

習得すべきポイントは以下の通りです。

家計管理

現状の収入や支出を的確に把握した上で、家計の収支を適切に管理することの必要性を理解し、習慣化する。

生活設計

自分の価値観に基づいて自分や家族の生活設計やライフプランを明確化し、それを実現するためには一定の資産を確保する必要があることを理解する。必要な資金を貯蓄・運用、借入などにより計画的に準備する。

金融取引の基本としての素養

金融商品の契約を結ぶときには契約内容を確認し、理解できないものは契約しない。契約締結後も定期的に契約内容や進捗も確認する。インターネット取引の伴う危険を理解している。

金融分野共通

金融経済教育の基礎となる重要な事項(金利(単利と複利)、インフレ、デフレ、為替、リスク・リターン等)を理解し、金融経済情勢に応じた金融商品の利用選択について理解し、実践できる。

保険商品

リスク管理の基本を理解し、保険商品を利用選択する前に、自分が死亡や疾病など何のリスクに備えるべきかよく整理したうえで判断できる。自分自身が備えるべきリスクと保険商品の内容が合致しているかを確認できる。

ローン・クレジット

住宅ローンを組む際には、住宅ニーズを考慮したライフプランを描き、住宅ローンについて基本的な特徴を理解している。

住宅ローンを組むに当たっては必要な具体的知識を有し、自己の返済能力等に応じた適切な住宅ローンを組むことができる。必要に応じて返済計画を見直すことができる。その他のローンやクレジットではローン等を生活設計の中で位置づける。カードローン等の消費者金融やクレジットカードの特徴とメリット・デメリットを理解している。

ローンやクレジットカードの返済を適切に履行しない場合は重大な影響が生じ得ることを理解する。

資産形成商品

自らの生活設計の中で、どのように資産形成をしていくかを考え、リスクとリターンの関係を正しく理解した上で、自らのリスク許容度を踏まえて合理的な選択ができる。

複利効果は長期投資になればなるほど高い効果が得られることを理解し、長期運用により価格変動リスクなどを平準化できることを理解できる。

外部の知見の適切な活用

金融商品を利用する際、外部の知見を適切に活用する必要があることを理解している。

金融商品の利用を選択する上で、信頼して相談できる中立的な機関や専門家等を把握して、的確に行動できる。

各年代で身に着けるべき内容は?

リテラシー・マップでは、小学生(低学年・中学年・高学年)・中学生・高校生・大学生・社会人(若年・一般)・高齢者ごとに身に着けるべき内容を定めています。

例えば「家計管理」では、小学生は「計画的な買い物ができる」、一般社会人で「家計簿などで収入支出や資産・負債を把握管理し、必要に応じて改善できる」ことを目標と定めています。

年代別にかなり細かく分かれているので、今の自分にとって必要なことがわかるでしょう。

より金融リテラシーを高めるためには

リテラシー・マップを読むことも金融リテラシーを高めるには有効ですが、中には自分には理解できないことがあるかもしれません。また、より金融リテラシーへの意欲を高めたいという方は、金融機関や自治体などが行っている金融セミナーや講座に参加してみることも有効です。

複雑な金融の仕組みも専門の講師が分かりやすく説明してくれるでしょう。金融広報中央委員会のウェブサイトで、セミナーの情報を探すことができます。

金融リテラシーが言われるようになったのは2005年ほどからですが、まだ一般に深く浸透していないのが現状です。しかし、金融リテラシーを身に着けることで家計のやりくりのヒントを見つけたり、ローンの見直しをしたりするきっかけになります。

老後資金に不安を感じている人や、もっと賢く資産を増やしたいと考えている人は、一度リテラシー・マップに目を通してみてください。