人生で最も高額な買い物になる住宅。現代ではマイホームに対する考え方が多様化し、賃貸し続けることを選択する人も増えてきています。しかし、それでも多くの人がいつかは住宅の購入を検討するのではないでしょうか。

転勤の有無や、結婚のタイミングなどによって、住宅の購入を考える時期は人それぞれです。しかし、タイミングは違っても、ほとんどの人は、住宅ローンを組むことに違いはありません。

今回のコラムでは、住宅ローンを組む際に気をつけるべきポイントを整理してお伝えしたいと思います。これから住宅の購入を検討しようとしてる方は、ぜひ参考にしていただければと思います。

住宅ローンの仕組み

まずは住宅ローンについておさらいしておきましょう。

住宅ローンとは、住宅を購入するために金融機関から借り入れるローンのことです。

住宅ローンを組む際には、まず金融機関のローン審査に通る必要があります。ローン審査とは、収入、貯蓄、他のローン状況などから、各金融機関の基準に基づいて申込者が住宅ローンの返済能力があるかどうかを審査するものです。

無事にローン審査に通ると、金融機関との間で借入契約を結びます。ローンの返済は通常、借入をした翌月から月ごとに行います。毎月の返済と併せて、年2回のボーナス払いを選択することもできます。

住宅ローンの返済期間は、金融機関によって異なるものの、最長35年で設定することが多いです。また返済終了時の年齢に制限を設けているところが多いので注意が必要です。

住宅ローンの金利には、2種類あります。契約時から返済終了時まで金利が変わらない「固定金利」と、市場金利の動きによって定期的に金利が見直される「変動金利」です。さらに、一定期間のみ金利が固定されるものは「固定金利選択型」と呼ばれます。

返済方法には、毎回の支払額が一定となる「元利均等返済」と、毎回の支払い額のうち、元金部分を一定とする「元金均等返済」の2通りがあります。

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出典: 全国銀行協会HP

「元利均等返済」は毎月の返済額が一定であるため、返済計画が立てやすいというメリットがあります。一方トータルの返済総額が多くなる点がデメリットです。一方で、「元金均等返済」による返済は、返済開始からしばらくは毎月の返済額が大きいものの、返済が進むにつれ毎月の負担は小さくなっていきます。

ご自身のライフプランと照らし合わせて、適した返済方法を選ぶようにしましょう。

借入額の決定と返済計画:キーワードは「無理のない」

新築マンションのモデルルームの見学に行ってセンス良くコーディネートされたインテリアを見るとマイホーム購入の夢がふくらみますよね。「こんな家に住みたい!」という気持ちが高まった結果、想定していた価格より高い物件の購入の検討を始めてしまうこともあります。

でも、住宅購入を検討する際の理想的なステップは、まず「借入額の設定」を行い、その上で購入する住宅を探すというものです。

金融機関が融資してくれる額は、収入や年齢、他のローンの返済状況によっても異なりますが、年収に占める年間の返済額の負担割合がおおむね30%から35%になる額です。

年収600万円の人を例にとってみましょう。

仮に金利を4%、返済期間を35年間でローンを組むと想定します。負担割合の上限を35%として、限度額いっぱいまで借りるとすると、借入可能額は約4,500万円になります。

ここで気をつけなければならない点は、金融機関から「借りられる額」と借りた人が「無理なく返せる額」は必ずしも同じではないということです。

現実的な返済計画を立てて、無理なく返せる額を計算することが重要です。同じ年収でも、それぞれの家庭の状況によって住宅ローンの返済に充てることができる額は変わってきます。これまで払ってきた家賃などの住居費を目安にすれば、ご自分が無理なくローン返済に充てられる額をイメージすることができるでしょう。

そして、今はその金額を毎月支払うことができていても、30年後も同じような状況だとは限りません。無理なく返せる額を計算するためには、子供の数、生活スタイル、他に借りているローンの有無、これまでの貯蓄額、将来の収入の変化のリスクなどを考慮に入れる必要があります。

また、住宅を購入したあとに必要となる、修繕費や管理費(マンションの場合)なども忘れずに計算に入れましょう。

「備えあれば憂いなし」 想定外の事態に備える

無理のない借入額を設定し、返済計画に基づいてローンの返済を続けていても、残念ながら想定外の事態が起こることもあります。

ローンの返済が滞ってしまうと、物件が差し押さえられてしまいます。そうなると、せっかく手に入れたマイホームを手放すことになってしまうでしょう。

そんな最悪の事態を避けるために、想定外に備えることも重要です。

例えば、共働きを前提としていたもののパートナーが働けなくなった、事故や病気で多額の医療費の支払いが発生した、地震や台風など自然災害の被害を受けた、公立大学への進学を予定していたが私立になったなど、発生しうるリスクケースはある程度考えておきましょう。

次に、ローンの繰り上げ返済は慎重に考えましょう。

繰り上げ返済を行うと、返済期間が短縮されることから支払い利息額が少なくなるというメリットはあります。でも、繰り上げ返済をするということは手元資金の額が大きく減少するということです。

特に、20代や30代のうちは、子供に関する費用がかさむ時期です。突然、事故や病気、進路の変更などで、大きな額のお金が必要になる可能性もあります。ある程度の余裕を持った貯蓄を手元において、万が一の事態に備えることを心がけましょう。

まとめ

今回のコラムでは、住宅ローンを組む際の留意点についてご説明しました。

住宅ローンは非常に高額な借金であるため、返済期間は長期に渡ります。各ライフステージにおけるリスク要素をしっかり把握したうえで、無理のない借入額を設定することが重要です。

ローン返済のシミュレーションは複雑なため、フィナンシャルプランナーなどの専門家の力を借りるのもひとつの手です。ライフプランと照らし合わせて、ご自分にあった住宅ローン計画を立てるようにしましょう。