グローバル化の影響により、遠い外国で起こった事件が瞬時にして日本の市場にも影響を与えるようになりました。また情報技術発達のおかげで今では一般の消費者でもかなり詳細な金融データまでアクセスすることが可能です。

その一方、市場で取引きされる金融商品も複雑な仕組みを持つものが増えました。金融商品の購入を検討する際には、今まで以上に背景にある金融の機能についての理解が重要になってきています。

今回は金融経済に関するニュースを読む上での基礎となるキーワードを整理してご紹介します。金融商品を選ぶ際に必ず必要となる知識ですので、既にご存知の方も復習のつもりでご一読いただければと思います。

金利(単利・複利)

金利とは、お金の借り手が貸し手に支払う利息の元本に対する割合のことです。

借り手と貸し手の関係(需要と供給)によって決まります。ローンを組んで車や住宅を購入したことがある方は日頃から貸付金利の動きに注目しているかもしれません。

金利には、単利と複利があります。元金、期間、金利が同じであれば、単利より複利の方が利息の額が大きくなります。

単利は、最初の元金にのみ利息がつくのに対して、複利は、元金と発生した利息に対しても利息がつくからです。単利と複利の差は期間が長くなればなるほど大きくなるので、資産運用の際は長期間かけて運用することで複利のメリットを実感することができます。その反面、複利でお金を借りる場合は利息が雪だるま式に増えていきますので注意が必要です。

一般的に金利は景気と連動するといわれています。つまり、景気が良くなると金利は上昇し、景気が悪くなると低下します

これは景気が良くなると、個人の消費が増え企業も設備投資を増やすので、お金の需要が増えるためです。反対に、景気が低迷するとお金の需要が減るため金利は下がります。金利の動きは金融商品の値動きにも影響します。例えば、金利の上昇は、債券価格や株価の下落につながると考えられています。

インフレとデフレ

金融商品の値動きは、経済全体における物価の動きにも影響されます。モノやサービスの価格が上昇している状態をインフレ下落している状態をデフレと呼びます。

インフレが進むとお金の価値が下がります。例えば、これまで1万円で買えていたものが1万500円へと値上がりします。逆にデフレが進むとお金の価値が上がります。1万円だったものが、9,500円へ値下がりします。

適度なインフレが続くことが経済にとってよいこととされます。ただインフレもデフレも過剰になると問題です

過剰なインフレをコントロールする場合、政府は金利を上げて、お金の流れを抑制しようとします。金利が上がるとお金を借りて投資しにくくなります。反対に過剰なデフレをコントロールする場合は、政府は金利を下げて、お金の流れを活性化しようとします。

インフレとデフレが金融商品に与える影響は金融商品の種類によって異なります

例えば銀行預金を考えてみましょう。インフレ時は物価が上がりお金の実質的な価値が減っていきます。銀行預金が安全だからといって預けっぱなしにしておくと、買えるものの量が減ってしまいます。逆にデフレが進んだ場合はお金の実質的な価値が上がり、購買力は増大します。

一方で、株式はインフレに強い金融商品です。その理由はインフレが進むと物価が上がり企業の利益は大きくなるからです。株価は企業の利益を反映するものなので、その結果株価も上がりやすくなります。

為替(円高・円安)

為替相場も金融商品に大きな影響を与えます

円高・円安は、日本円の価値が米ドルやユーロなど、他国の通貨に対して高くなったり低くなったりすることをいいます。各国の通貨の価値は、自国や他国の金利の動き、景気、国家間の貿易関係などによって変動します。

為替相場の動きが直接影響してくるのが、外貨資産への投資です。

円高、つまり円の価値が上がるときは同じ日本円を交換して受け取れる外貨の量が増えるので、円高のときは外貨投資のチャンスだといえます。円高の時に外貨投資を行い、円安のときにその資産を売却することで為替差益を狙うことができます。

外貨投資ができる商品としては、外貨預金、外貨MMF、海外の資産で運用する投資信託、FX(外国為替証拠金取引)、外貨建て個人年金、などさまざまな種類があります。しかし、投資を行ったあとにさらに円高が進んでしまうと、為替差損が発生してしまうため、投資時期や金額などのリスク管理を行うことが大事になります。

一つのリスクヘッジの方法として、国の経済成長が安定していて将来的に価値が上昇傾向にある通貨をポートフォリオに組み入れることが挙げられます。投資先を分散させることで資産全体の価値が減少するリスクを抑えることができるからです。

リスク・リターン

金融商品についての「リスク」は「不確実性」、つまり「予想通りにいかない可能性」のことを意味します。

そのため、リスクが大きい金融商品とは、大きな損だけでなく、大きな儲けがでる可能性もあるということです。

金融商品には様々なタイプのリスクがあります。代表的なものには、価格変動リスク、信用リスク、為替変動リスク、カントリーリスク、金利変動リスク、流動性リスクなどが挙げられます。

金融商品を購入する際にはその商品の持つリスクの特徴をよく理解する必要があります。

金融商品には、一般的にハイリスク・ハイリターンの法則が存在します。つまり、リスクが大きければ期待されるリターンも大きく、リスクが小さければ期待されるリターンも小さいということです。個々の金融商品において、高利回りが期待されるものを目にしたときは、同時にどのようなリスクがあるか、をしっかりと把握することが重要になります。

金融経済情勢

「景気」とは、経済の動向を意味する言葉です。

景気が良いときを好況、悪いときを不況と呼び、定期的なサイクルで循環すると言われています。景気の良し悪しはさまざまな指標を使って判断されます。

まず、国内経済の規模はGDP(国内総生産)によって表されます。

GDPとは1年のあいだに新しく生産された商品やサービスの付加価値の合計額です。その1年ごとの推移を示すものがGDP成長率です。この指標により国の成長を確認することができます。

また消費者が日常的に購入するモノやサービスの価格の変動は、消費者物価指数(CPI)として発表されます。

この指標は毎月発表されます。重要なものとしては他にも、日銀短観、企業物価指数、機械受注統計などがあります。中でも日銀短観は株式市場への影響力が強いとされ注目されます。また、自然災害や天候不順なども企業の業績や個人消費に影響を与えるため景気を左右します。

こういった指標は常に変動します。経済指標に関するニュースに敏感になってそれが金融商品の価格や利回りにどのような影響をもたらすかを把握しておきましょう。

最後に

今回は金融経済の基礎となる事柄についてまとめました。景気動向、金利の動き、インフレ・デフレ、為替の動きなどは全ての金融商品の価格や実質価値そして利回りに影響を及ぼします。金融商品を購入する際にはそれぞれの商品が持つリスクをよく理解することが重要です。また、今では金融サービスが高度化・多様化しています。信頼できる正確な情報を収集して利用するように心がけください。